カテゴリ: 乳癌

いよいよ治療開始です。
まずは腫瘍内科の診察から。
CVポート留置手術後に、放射線診断科の診察がないため、先生が傷痕をチェックしてくださいました。「傷はきれいに治っています」とのこと。
治療も問題なくできるということで、お次は治療センターへ。

ワタシにとっては初めての抗癌剤治療ですが、母の治療時に同行していたので、ここはすでに馴染みのある場所です。
懐かしく思うのと、「まさか自分がここにくるとは!」と、なんとも複雑な気持ち。

治療室の中を案内され、用意された席に座ります。
まず最初の説明で、「ドセタキセルの副作用で、手足に痺れが出たり、指先が黒くなってくるとこがあるけれど、それを冷やすことで、副作用が出なかったり、出るのを遅らせたりすることができますが、冷やしますか?」と聞かれます。
「初回は冷やさず様子をみたい」と答えると、「でも最初からしておいた方が予防になる」と、どうしても冷たいのがいやでなければ冷やした方が良いということなので、冷やすことにしました。
 

乳癌のHPD療法


やはり一番緊張したのがドセタキセルです。
以前書いた通り(こちら)、アルコールがどう影響するのかというところ。
「開始10分でアレルギーが出る場合があるので、何か異変があればナースコールを押してください」と看護師さん。
とりあえずその10分間にアレルギー反応は出なかったので一安心。
でも開始早々、頭が少し痛い…。
結局最後まで少し頭痛がするだけで、何事もなく初回治療を終えることができました

アルコールが入ったからか、体が少し重く感じるけれど、普通に動けるので歩いて帰ろうかと思いましたが、一応大事をとってバスに乗りました。
そのバスの中で、舌先に痺れ感があることに気づきます。早速副作用が!?

家につくと、遅めの昼食。食欲はしっかりあります。
アルコールが入ったのと、緊張が解れたのと、疲れたのと、満腹になったのとで、そのあとは爆睡してしまいました。

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化学療法開始、その前に・・・ずっと頭髪をどうするか悩んでいました。

ワタクシ、このブログではアホみたいな髪型をしていますが、実際は肩までのボブです。(元々は母のブログのサブキャラなので、しっかり描く必要がないと思い、手抜きで描いたらこうなりました。)
副作用で髪が抜けるのは避けられないようなので、事前に短く切るか、抜けるがままにするか、悩んで悩んで、結局短く切ることに。

で、切ると決めた後もさらに悩みます。
美容室で切っても、どうせすぐに抜けるのだから、1000円カットの店で丸刈りにしたらよくない?
でも店に入るにはちょっと勇気がいるかも。
それに、丸刈りの自分にショックを受けたら、その場でどうしたらいいのだろう…。
悩みます。悩んで、悩んで、出した答えは、
バリカンを買って自分で刈るでした。
そうと決めたら、アマゾンさんで安くて評価の良いものをポチリ。

治療前日にカットしました。
最初は怖くてなかなか刃をいれることができませんでしたが、始めてしまうと後はなるようになれです。

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自分で言うのも何ですが、少し長めの丸刈りにしたら、結構似合っていたので一安心
手伝ってくれた母も「いいやん!」と高評価。 
脱毛が始まればもっと短くして…という風に、ツルツル頭に備えていこうと思います。

病院の就寝時間は21時半と早く、深夜3時ごろに目が覚めてしまったので、お手洗いへ。
手を洗ったあと、鏡の前で傷の様子を見てみると、
 

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寝る直前まで何ともなかったのに!
そのまま詰所へ行って看護師さんに言えばよかったのですが、なぜか「朝の回診で言えばいいか」と思い、部屋へ戻ります。

朝になり回診に来られた看護師さんに見せると、当直の先生を呼んでくださいました。
 

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当直医では詳しいことは分からないとのこと。
病院の勤務時間になり、やっと専門医が来られます。
診ていただくと、当直医と同く「これは酷い!」という反応。
 

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なんだか怖いのでもう1泊したいくらいでしたが、退院可となりました。
圧迫止血用のガーゼとテープ、そして貼り替え用のガーゼ付きの防水シートを渡され、「自分で取り替えてね」ということです。
うーん、まず何より、手術をした当人に診ていただきたかったです…。

慌てて退院準備。
今回の手術が保険金支払いの対象になるのか入院前に問い合わせたところ対応していたので、診断書の申し込みをしてから帰りました。

家に帰ってからも、出血と内出血共が気になって、1日中鏡でチェック。
出血は止まったけれど、透明の液が結構出ていたので、夜になってシートを貼り替えました。


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翌日、内出血の色は一気に薄くなり、その翌日には真っ黄色へ。
穴からの液も止まりました。ヨカッタ〜。
傷口とポート上部の皮の張りは数日は痛かったですが、中の方はいまだにズキズキ痛みます。
重いものを持ったり、力を入れるのもつらい。
ポートの異物感は、担当医が仰っていた通りすぐになれました。
それより何より、傷口に貼ってあるシートが痒い!!!気がつけば掻いている状態。
化学療法前日に、傷を引っ掻いてしまったようで、ガーゼに血が滲んでしまいました。
抜糸がないので、退院後は放射線診断科の診察がないのですが、ちゃんと傷がひっついているのかが心配。

※これからCVポート留置手術を受ける方が読まれたら、恐怖でしかない記事になってしまいましたが、 遠慮なく「痛い!」と言えば麻酔を追加してくださるでしょうし、力加減も調節してくださると思います。これほど痛かったという感想を目にしたことがないので、終始無言で通したワタシが悪いのかと…

今回の入院は、付き添い不要ということなので1人で行きました。

1. 受付で診察券を見せ、リストバントをもらい、病室階まで移動
2. 事務員さんに受付で保険証、限度額認定証、入院書類などを渡す
3. 事務員さんの案内で部屋に案内される
4. 病衣に着替える
5. 看護師さんが来て、熱と血圧を測る
6. 看護師さんによる今日のスケジュールの説明
 
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お昼抜きということで、お腹をすかせながら手術時間がくるのを待ちます。
その間に生理食塩液を点滴。
とても良い感じの看護師さん、でも穿刺はドヘタ!!めちゃくちゃ痛い!!!
(この針跡は1週間後までも真っ赤に腫れてひどい状態に。)
時間をおいて別の点滴が加わります。

手術の時間が迫り、看護師さんが迎えに来られて、一緒に歩いていきます。
今回は一般外来の検査室の並びにある小さな手術室(たぶんレントゲン室)。
部屋に入ると慌ただしく手術の準備が進んでいきます。
 

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ドレープをスッポリ被せられたので何も見えなくなりました。
先生が来られたようで、話しかけられるのですが、どんな方なのか分からないまま手術が始まります。(入院・手術時の主治医は外来時の担当医ではありません)

《手術の流れ》
1. 消毒液をたっぷり塗る。
2. 局部麻酔をする。
3. 血管に針を刺しカテーテル挿入。心臓近くの太い血管まで進める。
4. 胸の皮膚を4cmほど切開し、ポートを埋め込むスペースを作る。
5. カテーテルと接続したポートを皮下に埋め込む。
6. 傷口を縫い合わせる。

麻酔は針を奥の方まで入れられるのでかなり痛かったです。
2本打たれた後、間を置かずにカテーテル挿入の工程へ。
この手術は麻酔が効いて痛くないものだと思っていたのですが…
 
 
CVポートの留置手術


痛い痛い痛いいいいいいい!!!!!
麻酔が効いていないのか何なのか、とにかくメチャクチャ痛い!
それならハッキリ「痛い!」と言えばよかったのでしょうが、何せ我慢強い性格なのと、「手術中にギャーギャー喚いたらジャマだろうな」なんて余計なことを考えてしまい、ひたすら耐えました。

ものすごい力で何度も何度も体を寝台に押さえつけられるのですが、これが「骨が折れる!」「内臓がつぶれる!」というくらい痛い!!!!
体をキツく押さえつけられながら、カテーテルをグイグイ中に押し込んでいるような感じの動作がしばらく続きます。

次はポートを入れるために皮膚を切開。
これは切っているのが分からないほど痛みも感覚もなし。
切り口をパカッと広げる気持ち悪い感覚があった後、ここからが本当の地獄でした。
 

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何をされているか分からないので、表情でしかお伝え出来ないのですが、もう本当に拷問されているようで、ずっとこんな顔をしていました。涙は出るし、声ももれるし。
例えて言うなら、切り口に手を突っ込んで何度も何度も肉をちぎり出している…そんな感じ。
途中で何度か麻酔を追加してくださっていましたが、ラクになることはなかったです。
ここでもまた体を押さえつけられましたが、こちらのほうがさらに痛い!
ほんと何なのでしょうこの動作。
後の工程は、これまでの痛みと比べると、比較にならないほどマシでした。

手術が終わった時の安堵感といったらもう…。
治療が始まる準備段階からこれでは、この先の不安も増すばかりです。


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手術時間は30分。(もっと長く感じました)
手術中は血圧がかなり高かったとのこと。
部屋に戻ってから熱を測ると37度超えていました。
あんな目にあってきたのだから当然ですね。

ポートを埋め込んだところは、異物感と皮が張った感じでかなり痛いです。
触るとポコンと盛り上がっています。

CVポートの証明書


看護師さんが何度も出血や腫れをチェックしに来られ、夕食前には拷問官…ではなく、担当医が様子を見に来られました。

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この後は夕食をいただいて、寝るだけ。
このまま何事もなければ明日退院。
きっと大丈夫と思っていたけれど・・・

つづく。

一通り検査が終わり、やっーーーっと具体的な治療内容と日程が決定する日。
初めて乳腺外科を受診してからちょうど1ヶ月です。遅っ!!!!

診察室に入ると早速、術前化学療法の説明文書を見ながら話を聞きます。


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[イラストの訂正]
後の記事ではアドリアマイシン→アドリアシンにしています
最後はハーセプチンのみになり、9ヶ月ではなく10ヶ月(計14回)ありました


毎回毎回、「そんな話は聞いていない!」「言っていたことと違う!」「説明不足だった!」のどれかが起こるんですよね…。
乳腺外科での説明は、「抗がん剤の後に手術したらおしまい」という感じだったので、まさか術後にも化学療法があるとは思っていませんでした。
15ヶ月間も化学療法が続くと知り、酷くショックを受けます。


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アルコールにアレルギーがあるワタシ。
特に消毒用アルコールは絶対にダメ。
痒みと発疹が出るので、注射時の消毒はいつもイソジンにしていただいています。
化粧品に含まれるエタノールは、問題あったりなかったりの両方。
飲酒は苦手で多く飲んだことがなく、「缶ビール1本も飲んだことがない」と伝えると、「ドセタキセルにはちょうど缶ビール1本くらいのアルコールが含まれています」とのこと。
体にどう影響するのか全く予想がつかないので、「まずは投薬してみて様子を見るしかない」ということです。
酔っ払うくらいならいいけれど、痒みや発疹が出たらいやだな。
 

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ハーセプチンとパージェタはHER2陽性癌だけに有効な分子標的薬で、副作用は過敏症やアレルギーのような症状などがあるけれど、抗癌剤と比べてかなり少ないようです。
ただ心臓に障害が出る場合があり、3ヶ月に1回、心エコーをしなければいけないとのこと。
ちなみに先日の心エコーは問題ありませんでした。

これらの説明を聞いている間、骨への転移はどうだったかずっと気になっていました。
「何も言われないので大丈夫だったんだろう」、恐る恐る聞いてみると「転移はありませんでした」ということで一安心。

「薬の詳細な説明を受け了解した」という同意書にサイン。
予約の空きがないため初回の抗癌剤はまだもう少し先で9日後に始まります。

放射線診断科で、再度ポート埋め込みの説明を聞きます。
毎回腕の血管から輸液すると、血管がボロボロになり、液漏れした時に炎症も起こすので、この病院では抗がん剤をする人のほとんどはポートを埋めているとのこと。

カテーテルを挿入する場所は事前に頂いた説明書を見ると「鎖骨下」「頸部」「上腕」の3種類あるのですが、たぶん鎖骨下なんだろうなと思っていたら、その通りでした。
埋め込んでいるのが一番目立たないということです。
 

CVポート埋め込みの説明


ポートの大きさは2.5mm。ポート上部の皮膚に針を刺して輸液します。
たしかに毎回の穿刺はラクそうですが、やはりデメリットの方が怖い!
そのあたりを再度確認すると、「カテーテルの品質は良くなっているし、我々のテクニックも向上しています」、つまり言葉にはされませんでしたが(たぶん医師は言ってはいけない)、「心配しなくて大丈夫!」という感じでした。
感染症やポートが体質に合わないなど、そういったトラブルもありますが、それはもうやってみないとわからないことなので、納得した上で同意書にサインしました。

次に手術の日を決めるのですが、ここでまた驚きの発言が飛び出します。
 

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腫瘍内科で、「短時間で終わる小手術で、その日のうちに帰れる」と聞いていたのに!
「何かあってはいけないので念のため」に入院するとのこと。やっぱり怖い!
入院と手術は3日後に決まりました。

この後入院手続きをするのですが、8ヶ月前に入院したところだと説明などがゴッソリ省けるようで、10分程度で終わりました。 前回は何度も問診されて結構大変だったのに。

 子宮摘出時の入院手続き

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