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前回の外来診察から5日後、いよいよ入院です。
付添人は癌患者の母・・・申し訳ない。

受け付けで手続き → 病棟へ → 部屋へ → 病衣に着替え
長々と待たされた後、「先に麻酔科へ行ってください」と言われます。

麻酔科へ行くと、問診票を書いてから、10分くらいのDVDを見ます。
1人の患者の手術前日から術後までがドラマ仕立てになっていて、
「手術中はずっと麻酔科医が付き添って、あなたの体を管理しています」というもの。
麻酔を投与するだけでなく、心拍や血圧の確認などをするのも麻酔科医なんですね。
知らなかったので勉強になりました。
 

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DVDを見終わると、麻酔科医から説明があります。
 

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いくら麻酔科指導医が監督していても、研修医に麻酔されるのはイヤ!
気管挿管時に歯が折れるのも絶対イヤ!
・・・と思っていても、「了承しました」という書類にサイン。

部屋に戻ります。
朝9時半に来たのに、麻酔科に行っただけで、お昼まで放置状態。
昼食が運ばれて来たところで、やっと「先生からの説明が5時ごろになります」との情報が。

あと5時間!
母は一度帰って、また戻ってきてもらうことになりました。
家が近所とはいえ、重ね重ね本当に申し訳ない。

母が入院した時は、病棟案内があったのですが、それがないので聞いてみたところ、トイレと洗面所の場所だけ教えてくれました。
風呂や非常口は?と思いつつも、後で自分で探検すればいいかと、先に昼食をいただきます。

 
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昼食後、同室の方にご挨拶。
上手くやっていけるか不安に思っていましたが、すぐに打ち解けました。
 

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子供を産まずに子宮を失うのは「とても気の毒」なことのようで、同情されるばかり。
「子宮がなくなってせいせいすると喜んでいます」とは言えない雰囲気でした。

ワタシのベッドは、6人部屋の入ってすぐ、出入口に近いところでしたが、そこには術後に使用する酸素のバルブがないとのことで、場所を入れ替わることに!
入り口か窓際かでは、明るさや広さが全然違うので、これはラッキー。
 

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みなさんと楽しくおしゃべりしていると、看護師さんが来て足のサイズを測られます。
血栓ができないよう弾性ストッキングを着用する」というのは、下調べして知っていたけれど、前々日から履かされるとは。暑い!


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次は先生からの手術の説明です。
続く

(続き)

16時半に母が再び来て、17時過ぎに看護師さんから「先生から説明があります」と言われ、面談室に案内されます。
入院時の主治医は2人おられるようですが、来られたのはそのうちの1人。

まずは手術の説明から。


子宮摘出の腹腔鏡手術


ワタクシとんだ思い込みをしていたようで、子宮摘出の手術には2種類あることは知っていましたが、なぜだか自分はお腹を開いて、そこから取り出すものだとばかり思っていました(たぶんネットで読んだ体験記の多くが開腹手術だったからかな?)。
腹腔鏡手術については全く予習していません。
だから聞きました。
「そんな小さい穴で、どうやって子宮を取り出すんですか?」
「膣からです」
「!!」
 
子宮摘出の腹腔鏡手術の体勢


衝撃の事実!
肩には圧迫を軽減させるクッション、足には血栓ができないようにマッサージ器、お腹はガスでパンパン、そこに4本の器具が突き刺さって…はああ、ものスゴイ格好なのでショックが大きいです。
術中に他の臓器が傷ついて出血したり問題が起これば開腹手術に切り替えるだとか、なんだか大変な手術だぞと、ただただ驚くばかり。

手術の説明のあとは、副作用と合併症について。それから輸血に関する説明。
これらが書かれたA4用紙が全部で10枚!その内3枚が同意書でした。

長々と「何が起こるかわかりませんよ」と、恐ろしい内容の説明を受けたので、思い切って失礼な質問をぶつけてみます。


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手術事故のニュースをよく耳にするので、やはり手術される側としては、先生の腕が気になるところ。
経験値高いようなので、ちょっと安心。

他にした質問は、手術時間。
手術自体は3時間ほど。麻酔なども入れて計5時間くらい
長い・・・。子宮を取り出すだけでも1時間かかかるそうです。
家族はずっと待機していなければいけないので、母にはまた迷惑をかけることに。

まとめに入る先生。
「今回貧血でということですが、ヘモグロビン値は10もあれば手術出来るので・・・」
え?ちょっと待って!
入院してから採血していないし、最後の検査値は8.7なんですけれど!
そのことを伝えると、驚いて少し考えた後に「大丈夫」と一言。本当!?
「数値が上がっていなければ術前に輸血するかもしれない」と言われていたので心配していたのに、まさか血液検査なしだなんて。
でもまあ輸血はイヤなので、この方がありがたいかも。
これで一通り説明は終了。


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母を見送り、部屋へ戻ると間もなく18時で夕食に。
ワタシは普段、夕食を食べない(18時以降は食べ物を口にしない)のですが、入院中はそうもいかず、出来るだけ食べるようにしました。
 

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21時半消灯。
普段深夜2〜3時頃に寝るワタシがこんな時間に寝られるはずがなく、どうしたものかと困っていると、入り口付近がなにやら騒がしいではありませんか。
どうやら救急で入院された方がいらしたようです。
おかげで(と言っては失礼ですが)消灯時間が大分遅くなりました。
でもだからといって寝られたわけではありません。
新入りさんのところへ看護師さんが何度も行ったり来たり、みなさんのイビキが酷かったり、トイレに行く時のカーテンを開ける音や足音・・・・病室の夜ってうるさすぎ!!!

入院初日の夜は、生活リズムの違いと、騒音でほとんど寝られませんでした。
起床時間は6時

洗顔と歯磨きを済ませてからお風呂の予約を取りに。
昨日はお風呂の説明もしてもらえなかったので、同室の方にお聞きしたのですが、すでに予約が埋まっていて、入ることが出来ませんでした。

7時半に朝食
その後、大分経ってから看護師さんが2人来られます。
 

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A3用紙に入院から退院後までの1週間のスケジュールが事細かにビッシリ書かれています。
説明してくれるのは今日と明日の術前まで。(後は自分で読んでおけと。)
今日は1日何をするのだろうと思っていたら・・・・

 ・へそ掃除とお腹の剃毛
 ・20時→浣腸
 ・21時→睡眠導入薬を飲む(手術前日は寝られない人が多いため)

これだけ?ヒマ〜。
説明が終わると早速おへその掃除。キレイなので綿棒でササッと拭いておしまい。
お腹はムダ毛がないので剃毛不要。 
ところで・・・お腹ではなく下の方は剃毛はしないの?
説明がなかったので聞いてみると、「そのままでいいですよ」と。


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せっかくセルフワックスしていったのに…。
でも!でもですよ!開脚&逆さまという恥ずかしい格好で下から取り出すのですよ!
浣腸もあるし、術後は洗ってもらったりもするので、個人的にはしておいて良かったと思いました。

12時に昼食
13時半にお風呂
小さなユニットバスで入浴時間は30分。5分前には出ておきたいし、着替えの時間も入れるとなると、ほとんど時間がありません。慌ただしく入ります。

ここからは予定はありません。同室の方と話をしたり、本を読んだり、コンビニへ行ったり、昨晩寝られなかったから少し眠ったり…

そうこうしていると、明日担当するという麻酔科医が現れ、いろいろ質問されます。
 

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歯のグラつきの質問はもう何回目!?
同病院の歯科医に確認していただいているし、昨日の麻酔科医にも聞かれました。
以前にも書いたけれど、ほんとデータ化して情報共有をしていただきたいです。

さらに時間がたって、今度は昨日の充血目主治医が来られます。
 

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昨日はかなりお疲れだったのでしょうか?
輸血同意書の「必ずチェック」部分に、1つもチェックが入っていませんでした。
ワタシもそれに気づかず、「了承する」にチェックしてサインしてしまっているし…。
手術前にミスされると、なんか怖い。
「しっかり寝てください!明日は頼みますよ、先生!」という思いでいっぱいでした。

18時に夕食
ちなみに今日1日の食事はこちら。

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予定通り20時になると浣腸をしてもらいます。
浣腸は今夜と明朝の計2回! 
この1ヶ月間毎日鉄剤を服用しているため、ワタシの便は真っ黒。
そんな便を2回もチェックされるのかと気にしていると、明日の分だけにしてくれました。


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ガスばかりで不思議と便はあまり出ず。
これなら見てもらっても全く問題ありませんでした。

21時すぎに睡眠導入薬を飲んで就寝
睡眠薬と違って、眠りやすくなるお薬だそうです。

20180706_1昨晩は導眠剤のおかげでなんとか寝られました。

この日は絶食(正確には昨晩23時から)。
点滴をするまでに与えられた経口補水液500mlを2本を全部飲むのと、あとは水かお茶なら口にしても良いとのこと。
経口補水液がかなり甘くお腹が張るので、空腹を感じることはありませんでした。

6時半に昨晩浣腸をしてくださった看護師さんが来られます。
「さあ、やりましょうか!」
「え、何を?」
「浣腸ですよ♪」
スケジュール表には8時とあるのに、なんたる不意打!
「お風呂に入る前の方がいいでしょ」と言われ、その通りだと納得。
2度目はもう余裕です。
今回もあまり便意は襲って来ず、便自体もあまり出ない。
一体ワタシが食べたものはどこへ行った!?
でも便のチェックが恥ずかしくなくて良かったです。

7時半にお風呂
朝一番に入るよう言われていました。
ここで別のタイプの病衣に着替えます。

12時半に母が到着。
手術の予定時間は15時なのですが、前の手術が早く終わった場合にそなえて、早め来てもらいます。

13時半に点滴開始。これは本当なら午前中にする予定でした。

14時20分「手術室に14時30分に着くよう行きます」と看護師さん。
いよいよです!!
病室のみなさんに見送られながら、手術室へ向かいます。




自分で点滴台を押しながら、手術室のある階まで移動します。
エレベーターを降りるとすぐにドアがあり、母とはここでお別れ。

ドアが開くと、手術を担当してくださる医師が待ち構えておられ、順に自己紹介。


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さらにドアが開くとその先は、暗くて薄気味悪い長い長い廊下が続いています。
「一番奥まで進んでください」と言われ、なぜかワタシが先頭で進みます。
手前の手術室はどこも手術中。急に緊張感が高まってきました。
 

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手術室に到着すると、中にいる方たちが元気にお出迎え。
手術室を描きたかったのですが、部屋に入ってから麻酔で眠るまでがアッと言う間で、広かったということ以外、何も覚えていません…。
 

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周りが慌ただしく動いていて、猛スピードで準備が進んでいきます。
上半身だけ脱いで上からタオルを掛けられます。(下は病衣も下着もつけたまま)
心電図と血圧計、それと指に酸素濃度を測る機器を嵌められたような気がするのですが、よく覚えていません。
逆さになった時の負担を軽減するクッションを肩に置かれたりもしていたような…。

準備が整うと、いよいよ全身麻酔です。
口にマスクを被せられると、3秒ほどで意識を失います


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手術は約4時間半弱。無事に終了しました。

術後は次回に続きます。 

19時10分、待機室にいた母に声がかかり、手術室前に向かいます。
主治医が来られて
「手術は何事もなく無事に終わりました」
「出血も少なく、輸血もいりませんでした」
と言って、手に持った物を説明してくださいます。
 

摘出した子宮と筋腫


透明ケースに入った摘出した臓器たち。
母曰く“マスカラブラシのような卵管〟が2つと、卵大の筋腫が2つ。
子宮はガーゼに包まれていて、見るか見ないか選択出来たそうです。
見ることを選んだ母の感想は…
 

摘出した子宮と筋腫


だそうで、気持ち悪くもなんともなかったとのこと。
ちなみにワタシは後々にも 見ることはありませんでした。

麻酔から目覚めたワタシは、猛烈に眠いのに、必死で目を開けて起きようとします。
お腹にはジンジンとした痛み。
19時20分。手術室からベッドごと移動。
 

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長時間待機している母のことが心配だったので、 第一声はこうでした。
部屋で付き添ってもらっている必要はなさそうなので、疲れているだろうから早く帰るように言います。

さて、ここから朝までの間が、この入院でワタシが一番苦しかった時間帯です。

母が帰った後はしばらく眠り、消灯時間前に目を覚まします。
お腹が痛い!それに暑い!
しばらくすると消灯時間が来ますが、暑すぎて寝られたものではありません。
思い切ってナースコールをして、布団を1枚取ってもらいます。
時間が経つにつれて今度は腰が痛い!
長時間寝返りが打てず、ずっと同じ姿勢のままなのはかなりキツイ!
 それでもウトウトと眠りにつくと、いつの間にか看護師さんがいて、熱や血圧を測ってくれています。
時間が分からないので聞いてみると、「0時ですよ」と。
まだ消灯からたったの2時間半!もう深夜3時くらいの感覚でいました。
手術跡は酷い生理痛のようなジーンとした痛み。
でも腰はそれをはるかに上回る痛さです。
 

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看護師さんが、点滴の交換や尿バッグの処理などに何度も来られるので、1度お願いして少し横向きにしてもらいました。
でも楽になったのはつかの間。やっぱり猛烈に腰が痛い。
あまりにもの辛さに涙したほどです。
手で腰を支えたり、ベッド脇の柵にしがみついたりして、少しずつ自分で動いていると、次第にオシッコの管にも慣れてきて足を動かせるようになり、右や左へと向きを変えられるようになりました。
それでも決して楽になったワケではなく、結局全く寝ずに朝がきてしまいます。

起床時間6時。
だいぶ経ってから、看護師さんが採血しに来られました。
調子を聞かれたので、とにかく腰が痛いと訴えると・・・
 

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というワケで、引き続き腰の痛みに耐えるのみ。
でも同室の方々が話しかけてくださったりして、夜中と違い、かなり気が紛れました。

またどれだけか時間が経つと、担当の看護師さんたちが来られます。
再び腰の痛みを訴えると、今度はすぐにベッドの背を上げてくださいました!
しかも最初の角度では物足りなかったので、お願いして一気に体を起こしてもらいます。
もうどんなに嬉しかった、そして楽になったことかっ!
腰を折り曲げてもお腹は問題なさそうです。


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血栓予防の注射して、看護師さんたちは退室。
9時半から飲水ができました。

しばらくすると、今度は陰部洗浄と体拭き
お尻の下に防水シーツを敷いて、お湯をかけながら洗ってくださいます。
開脚もさることながら、とても丁寧な指使いで、かなり恥ずかしかったです。
体は濡れたタオルを渡されて自分で拭きました。
病衣を着替え、術後に着けられていたT字帯でなく自分の下着に履き替えます。
 

術後の陰部洗浄


洗浄と着替えが終わると、すぐに歩く練習をします。
術後約16時間、早い!
痛いけれど、余裕で我慢できるレベルです。
 

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歩く練習から戻ると、昼食です。
少量のおかゆと、普通の量のおかずが出されました。
食べる時の姿勢は傷が痛むので、少ししか食べられません

昼食後、研修医らしい麻酔科医が「術後で一番痛かったのはいつですか?」と聞きに来られたので、「目を覚ましてから消灯までの間。そのあとは腰の方が痛かった」と答えました。
時間を置いて今度は主治医その2が、様子を見に来られました。
お腹の見た目は問題なし。どんな感じかと聞かれたので、「特に左下の傷が痛い」と言うと、
 

腹腔鏡手術の術後


なんと4つの傷のうち3つは、縫わずにテープでとめてあるだけ!
これも知らないことだったので、驚きました。
縫い目がないと傷口がキレイに治りそう♪
上図にある「謎の穴」は、極太の針を刺した跡のようなもので、何なのかはわかりませんが(聞くのを忘れました)かなり痛いです。

動いた方が良いと言われたので、歯を磨きに行ったり、面会に来た母を見送りに行ったりと、付き添いなしで何度か歩いてみましましたが、歩行はもう全く問題ありません。
昨晩手術したとは思えない回復っぷりです。

16時、点滴が外れる
21時、2度目の血栓予防の注射

ワタシを含めて5人いた患者さんたちは、昨日1人、今日1人が退院されて、1人は一時帰宅。病室には2人だけ。シーンと静まり返った夜となりました。
 
今日1日の食事

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